6/11 街灯


 
私は、新宿の街角に立つ街灯である。
新宿というとネオンの灯りばかりを思い浮かべるであろうが、
みなさんの足下を照らしているのは、じつは我々なのである。
多くの人は、そのことに気づいていない。
それでよいと思う。
人々の暮らしを陰から支えるのが、我々の務めである。
ただ、私の姿に目を留めてくれたあなたに、
我々の存在を心に留めておいてもらえれば、嬉しく思う。
では、また新宿の夜で会おう。